■主催者
la boum moment（ラ・ブームメント）

■日時
2005年9月9日（金）19時半開演
※上演時間は約1時間を予定

■料金
前売り、当日共2000円

■構成・出演
林英世

■上演作品 【解鋭】
江戸川乱保「芋虫」（昭和4年1月）
この作品は、作者のグロテスク趣味の極限を代表する佳作である．この作品が発表された当時は、プロレタリア文学の盛んだった頃で、反戦小説として激励されたりした。だが、作者はそんな意図のもとに書いたのではないと言っている．苦痛と快楽と惨劇を書きたかったのだと言っている。これも探偵小説ではないが、探偵小説の枠を一層拡げたものと言えなくもない。（江戸乱歩傑作選、解鋭より）

■企画意図
私達はまず、建物ありきで考えます。その中で建物から感じたインスピレーションにより作品を選んでいきます．今回はこの作品の持つ、淫靡な雰囲気が夜の細野ピルの持つ空気感とマッチするのではないか、また、戦争中には発売禁止になったような問題作を都会の現代を生きる 人々に投げかけることで、推にでも潜むひとつの問題を観客ひとりひとりが見つめ直すことができるのではないかと考え、この作品の上演を決めました．

■他の開催場所予定
8月21日（日）五風荘（岸和田市岸城町18ー1）昼公演
山本周五郎「雨あがる」を予定
9月3日（土）旧杉山家（富田林市富田林町14−31）夜公演
泉鏡花「高野聖Jを予定

■お問い合わせ先
la boum moment（ラ・プームメント）
大阪市東成区玉津1-2-21-302
TEL＆FAX：06-6972-8575

大阪府「大阪楽座事業」に採択されました

※当日の感想
左写真は9月9日細野ビルヂングでの上演風景です。当日、開演1時間前のこと、大変な雷鳴と共に豪雨が30分ほど続きました。雨がやむとともに雲間から三日月がのぞきました。それを会場ホールの上の2階の部屋の窓から撮ったのが一番上の写真です。上演中のホールには、わずかの効果音の他は静寂の中、演者の朗読だけが響く大変に濃密な時間が流れました。このビルとともにある背後の書棚が乱歩の世界を演出していたことも印象に残る出来事でした。（写真と文＝sugiya）