イベント情報

HOSONO JAZZ SOUNDTRACK

昨年大好評を博した「細野サウンドトラック」のジャジーな一夜が今年も開催!
今回は「女性ジャズアーティスト新時代」と銘打って、
レトロでモダンな歴史的建築物「細野ビルヂング」を
注目の女性ジャズアーティストたちが彩る
一夜限りのスペシャルイベント!

●ムツカルテット/木原鮎子カルテット/妹尾美里トリオ/古山晶子カルテット/遠藤真理子デュオ

細野ビルヂング
2008年10月12日(日)18:00 - / 2,000円(要予約)
予約と詳細は・・・
ジャズやねん関西 公式サイト(http://jazzyanen.com/hosono/)


↑木原鮎子カルテット 写真提供:ジャズやねん関西

ライブ感想

12日、大阪新町4丁目の細野ビルヂングにて、ジャズやねん関西が主催するイベント「HOSONO JAZZ SOUNDTRACK」に行ってきた。このイベントは昨年に続いて2回目。

●妹尾美里トリオ: 妹尾美里(p) 浦田和史(b) 斉藤洋平(d)
メロディアスで叙情的な美しいピアノプレイだった。ピアノにスタイリッシュなドラムがからんで、おしゃれなサウンド。これがフィージョン? ぼくの聞いてきたジャズから遠く離れたところにある。これも今のジャズなのかと、静かに耳を傾けた。

●遠藤真理子デュオ: 遠藤真理子(as) 名倉学(p)
ファッショナブルなアルトサックスプレーヤーだが、ソウルが前面に出て今回のイベント5バンドの中では一番濃いジャズが聞こえた。ピアノとのディオだが、オルガンバージョンがよかった。とてもテンションが高くアグレッシブな演奏がアルトとスリリングに絡み合った。記憶違いでなければ、曲紹介でSleep Walkerのを2回していた(はず)。ぼくはSleep Walkerのライブを一度見ているが。中村雅人さんのアルト・プレイにはホント驚いた。アルト・サックスにはエキセントリックなプレイヤーが多いと感じているし、遠藤真理子さんのブログでは好きなミュージシャンにCharlie Parkerの名前あり。気になるジャズプレーヤー。
blog:http://mariko.blog.so-net.ne.jp/archive/c40385681-1

●木原鮎子カルテット: 木原鮎子(vo) 須藤雅彦(g) 松元敬志(b) 弦牧潔(d)
ほんと歌のうまい人だと思う。この夜は全曲スタンダードナンバーだった。聞いているとウキウキとしてきて体がフワフワとしてくる。この浮遊感がたまらない。いろいろ歌ったけど、Lullaby Birdlanda のノリがよかった。ヴォーカルは余り聞かないのでこんな超有名曲しか知らないせいもある。Nica's Dream は美しいタイトルだよね。この数日、Horace Silver のアルバムでこのナンバーを何度も聞いてたんで、お、偶然。といってもメロディーを覚えてるわけじゃない。曲紹介で分かっただけ。
blog:http://ayuko0729.blog94.fc2.com/

●古山晶子カルテット: 古山晶子(ts) 永田有吾(p) 光岡尚紀(b) 吉川元(ds)
とても伝統的なジャズスタイル。正直、若い女性のテナー・サックス奏者のスタイルとして驚いた。何でもありの今のジャズスタイルの多様性を印象付けられた。ソニー・ロリンズを尊敬しているとMCで言っていたけど、もう少しパワフルに歌って欲しかった。と言ってもぼくはロリンズをほとんど聞かないので、よく分からない。

●ムツカルテット: 川本睦子(vo) 大友孝彰(p) 宮上啓仁(b) 吉川元(d)
一年前のこのイベントに出ていて、その時に初めて知って注目した。この1年は何回かライブを聞いたし、8月にリリースされたCDも聞いている。このカルテットはボーカルのバックにピアノトリオがついているというよくあるスタイルじゃなくて、あくまで4人組のバンドだという点にいい面が出ていると思う。そしてバンドとしてのコンセプトを持っていること。
非常に伝統的なジャズのスタイルを持ちつつ、日本語で歌うオリジナル曲を増やすなど,日本人の演奏するジャズスタイルを追求しているように見える。こう書いてしまうと地味なプレイのように受け取られかねないが、4人の持つリリシズムが極まるときの高揚感はかなりいい。
Bill Evans の Waltz For Debby の曲紹介があったときは少し驚いた。この大友孝彰さんのピアノ・プレイはすごかった。最後の Throw It Away はCDの最初の曲。好きなナンバーだったし川本睦子さんの歌がムチャ素晴らしかった。
site:http://www.muzquartet.com/

ジャズやねん関西が主催するイベントは今のジャズを提供するので、絶対にはずせない。今回の「HOSONO JAZZ SOUNDTRACK」ももちろん収穫が多かった。

(sugiya's blog "Walk in Osaka" より転載)